虚人譚

虚人がヒロインピンチやその他のことについて記しておく場所。

特警機甲フォージアン

フォージアンのリョナ絵

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特警機甲フォージアン 第七話 第一章

少し間が開いてしまっているので、先行で公開しました。続きは書きあがり次第、まとめてpixivに投稿します。続きを読む

特警機甲フォージアン Phantasmagorie その3

その2
 私がメルツから着信を受け取ったのは、その日の午後だった。

「……確かにあなたは被験体301および298の回収に失敗しました。功を焦る気持ちもわかります、メルツ。しかし……」

と私は言った。

「ここは慎重を期すべきです。フォージアンとの対決は、私が到着してからにしてください。先生もそれを望んでいます。」

「お前を待ってたら被験体がまた破壊されちまうぜ。ユーリ」

兵士に監視させればよいでしょう」

「この前はその兵士に任せてたから失敗したんだろう!!」

端末の向こう側から怒号が聞こえた。

「そんなこと言って、手柄を横取りするつもりだろう?センセイのお気に入りが!被験体の回収は俺の役目だ!」

「ですが……」

「鉄屑ひとつスクラップするだけだろう。俺一人で十分だ!じゃあな!!」

説得を続けようとしたところで通話が途絶えた。私は溜息をついて端末をしまう。彼は誤解をしている。私は確かに先生の秘書だ。しかし、けしてそれ以上の存在ではない。これまでのデータの蓄積により判明している戦闘能力から考えて、メルツがフォージアンに敗北するなどとは私は微塵も考えてはいない。彼の実力は私たち12人の中でも屈指だろう。ただし……唯一の、かつ最大の欠点が彼にはある――詰めの甘さ。しかも度重なる任務の失敗によって、彼は苛立っている。

「フォージアン……か。」

私たちの事実上唯一の敵にして、恐らく私たちと出自を同じくするであろう紅い戦闘兵器。だが、それ以上のことを先生は私たちには教えなかった。「彼女」の目的が何かも。いずれにせよ彼女の登場以降、私たちの計画に遅れが出ていることは間違いない。けして油断してよい相手ではない。私はすぐに、出発するための支度を始めた。

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特警機甲フォージアン Phantasmagorie その2

その1

「――喋りすぎではないかしら、シスル」

いつの間にか結城さんが腕を組んでこちらを見ている。

『そうかい。そもそも僕は、セキュリティレベルにおいて許可されている範囲の情報しか伝えることはできないんだけどね……まあ、麗華も来たことだし、ここで本題に入ろう』

モニターに首都圏の地図が映し出される。

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特警機甲フォージアン Phantasmagorie その1

第一話

 維新の三傑の一人として知られる西郷隆盛は、実際には上野公園に立つ銅像とは似ても似つかない風格であったという。でも北海道出身の田舎者にとっては、そんな事実は全くどうでもいい問題で、東京を象徴する観光スポットのひとつ、上野公園の西郷隆盛像を、僕はひたすらぱしゃぱしゃと撮っていた。しかし写真を撮った良いが誰に送る?こっちで出来た知人友人は、(約1名の不明者を除いて)すべて東京出身者である。少し迷った末、とりあえず実家に送ることにした。送信ボタンを押すと、ちょうど公園の階段を上ってくる人物が目に入った。

黒いロングヘアーが風になびく。いつもと同じように、その端正な顔立ちに不機嫌そうな表情を浮かべた結城さんだった。

「待った?」

手を振る僕を見つけて彼女が聞いた。白いノースリーブのブラウスにデニム地のパンツ。普段通りにそっけないファッションだが、スリムな身体によくフィットして似合っている。

「いや、僕もさっき着いたところ」

「そう」

実際は30分前に着いていたのだが。

結城さんが、あたりの観光客を見回して不思議そうに言った。

「どうして西郷隆盛を撮っているのかしら。あの像の写真なんてプロが撮ったものがいくらでもあるのに」

「う、うーん……」

どうやって取り繕うべきかを考える。

「多分、自分が来たっていう証明みたいなものじゃないかな?思い出、というか……」

「マーキングみたいな?犬の」

僕は、実は自分もさっき撮っていたとのだいう言葉を飲み込んだ。

 さて、どうして僕が結城さんと、上野公園でこんなデートまがいの待ち合わせをしていたのかというと――。

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