戦隊ヒロインモチーフのオリジナル同人作品といえば、みなさんどのようなものを思い浮かべるでしょうか。布のようにあっさりやぶれる薄いスーツ。発砲スチロールのようにあっさり割られるマスク。冒頭1ページで活躍、次のページで敗北。残りのほとんどのページが、スーツの痕跡をわずかに手足に残した状態でひたすら陵辱されるだけ……。我々、非健常的なヒロピン愛好者は、そもそも戦隊ヒロピン自体がほとんど無い状況の中、数少ない該当作品をドキドキしながら購入しては、上記のような描写に裏切られてきました。
 しかし、そんな常に難民のような生活を送っている我々が買うべき作品が、ヒューズボックスさんの『闘うヒロイン完全敗北 ~強化スーツ徹底破壊~』です。

[フルボイス]闘うヒロイン完全敗北 ~強化スーツ徹底破壊~

正義の使命感に燃える、誇り高き戦隊ピンクが、あらゆる能力を上回る自身のコピーにスーツをひたすら破壊され、嬲られます。スーツが単なる布ではなく、ちゃんと内部回路があって火花が散り、そこをさらに攻撃されるというマニアにはうれしい構成。マスクも全編通して半壊のみ。少しずつ自慢のスーツが破壊されていく様をフルボイスで楽しめます。
 もちろん私がすすめるからには、ガジェリョナ(武器リョナ)もあります。なるほど、武器リョナの定番とはいえ、ガジェリョナおじさんの心をくすぐる良いシチュエーションでした。
 一方で、きわめて個人的な不満点なのですが、ベルトと武器にせっかく精巧な紋章があるのだから、そこへの言及や何らかの攻撃が無かったのは残念で、もしあったらガジェリョナおじさんは感涙していたと思います。
 これまたフルボイスつきのおまけもツボをよく心得ているので、戦隊ヒロピンクラスタにはおすすめの一作です。