虚人譚

虚人がヒロインピンチやその他のことについて記しておく場所。

2016年03月

特警機甲フォージアン Phantasmagorie その2

その1

「――喋りすぎではないかしら、シスル」

いつの間にか結城さんが腕を組んでこちらを見ている。

『そうかい。そもそも僕は、セキュリティレベルにおいて許可されている範囲の情報しか伝えることはできないんだけどね……まあ、麗華も来たことだし、ここで本題に入ろう』

モニターに首都圏の地図が映し出される。

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特警機甲フォージアン Phantasmagorie その1

第一話

 維新の三傑の一人として知られる西郷隆盛は、実際には上野公園に立つ銅像とは似ても似つかない風格であったという。でも北海道出身の田舎者にとっては、そんな事実は全くどうでもいい問題で、東京を象徴する観光スポットのひとつ、上野公園の西郷隆盛像を、僕はひたすらぱしゃぱしゃと撮っていた。しかし写真を撮った良いが誰に送る?こっちで出来た知人友人は、(約1名の不明者を除いて)すべて東京出身者である。少し迷った末、とりあえず実家に送ることにした。送信ボタンを押すと、ちょうど公園の階段を上ってくる人物が目に入った。

黒いロングヘアーが風になびく。いつもと同じように、その端正な顔立ちに不機嫌そうな表情を浮かべた結城さんだった。

「待った?」

手を振る僕を見つけて彼女が聞いた。白いノースリーブのブラウスにデニム地のパンツ。普段通りにそっけないファッションだが、スリムな身体によくフィットして似合っている。

「いや、僕もさっき着いたところ」

「そう」

実際は30分前に着いていたのだが。

結城さんが、あたりの観光客を見回して不思議そうに言った。

「どうして西郷隆盛を撮っているのかしら。あの像の写真なんてプロが撮ったものがいくらでもあるのに」

「う、うーん……」

どうやって取り繕うべきかを考える。

「多分、自分が来たっていう証明みたいなものじゃないかな?思い出、というか……」

「マーキングみたいな?犬の」

僕は、実は自分もさっき撮っていたとのだいう言葉を飲み込んだ。

 さて、どうして僕が結城さんと、上野公園でこんなデートまがいの待ち合わせをしていたのかというと――。

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フォージアン元ネタ紹介

 『特警機甲フォージアン』第一話の製作が終了しました。如何だったでしょうか。1~4までまとめて、少し修正を加えたものをpixivに掲載しています。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6488867
こちらもよろしければどうぞ。
 
 さて、『フォージアン』はお気づきの通り東映メタルヒーロー系を参照しています。いい機会なので、この作品・世界観・キャラクターを製作するにあたって影響を受けている作品を、さしあたって3つご紹介しておきます。  続きを読む

特警機甲フォージアン Prologue その4

その1 その2 その3
 
 夏至を間近に控えた6月の太陽が漸く斜めに傾き、西の空がサフラン色に染まった頃。

上空で旋回を繰り返す黒と黄土色の巨大な蝶の目の前に現れたのは、再起動を完了させた深紅の戦士――フォージアンだった。メタルスーツのシステムは回復し、正常に稼働しているもように見えるものの、完全に元通りに修復できたとはいえず、左腕の傷や身体の焦げ跡はそのままである。

『来なさい――私は逃げも隠れもしない』

フォージアンは巨蝶に向かい挑発的に宣言すると、工場の中に姿を消す。まるで誘っているかのように。

手負いの獲物に、この期に及んでどんな小細工が出来るのだ――?と巨蝶は考えたに違いない。まぁ、そろそろいいだろう。あいつがどんな抵抗をしたとしても無駄だ。自分はあの極上の深紅の花弁を蹂躙し、カラカラになるまで吸い尽くしてやるのだ。

 勝ち誇る蝶はフォージアンを追って工場に飛び込む。狩るべき対象は追わなければならぬ。それは彼自身に埋め込まれたプログラムのひとつでもあった。

工場内は明り取りの窓がすべて閉められており、薄暗かった。突然ギィ――という音とともに扉は閉じられ、内部は暗闇となる。閉じ込めたつもりか――?しかしそれは自分にとっても好都合だ。相手はもはや袋の鼠。暗闇はむしろ相手の視界を疎外する。だが、相手の姿は自分からは丸見えだ。巨蝶の複眼が、光を放つフォージアンのメタリックボディを捉える。さっさと決着をつけてしまおうと翅を広げ、自身の必殺攻撃――鱗粉を放射する。再び深紅のボディが黄土色の粉で覆われ……爆発する!!

パン!!パン!!パン!!パン!!

さっきと同じではないか――学習能力はないのか?巨蝶は訝しんだ。確かに前回とは違い、腕をクロスしてガードの姿勢を取ってはいる。しかし、傷ついたスーツに追い打ちのように浴びせかけられる爆弾には到底耐えられまい。実際、衝撃で脚がよろめいていて、徐々に後退していっているじゃないか。

巨蝶の考えどおり、フォージアンはついに立っていることさえできなくなり、全身から白煙を立ち上らせながら膝をつく。獲物をしとめようと、蝶はフォージアンに飛びかかっていく。灯りに群がる虫の本能もあったに違いない。巨大な翅が光を放つ赤い花弁に覆いかぶさろうとしたとき……。

――高圧の水流が大量に、巨蝶に向かって放たれた。

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ギャラリー
  • ドイツ語版キューティーハニーの歌詞
  • 特警機甲フォージアンについて